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”生娘シャブ漬け”の表現がなぜダメなのか、理解して欲しい

Photo by Sarah Dorweiler on Unsplash雑記帳

ある企業の経営中枢の人の”不適切発言”ですが、簡単に言うと「相手を人間として見ていない」ことが問題なのですよね。

こういう表現が出てきてしまう経緯を、私の体験を交えて考えてみます。


先ず、シャブ漬けについて。

これは論外ですので、ダルクで頭冷やしてください。


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広告・マーケティング関係の人の「ことばの感覚」

私は昔、デザイン関係の学校に行っていました。

当時、世間をブイブイ言わせていた電通などから「センセイ」と呼ばれていた「先生方」に、教えてもらっていました。

確かに、広告・マーケティング関連の文化を牽引している、イケてる人たちだったと思います。

ただ、彼らの話を聞いていて、納得のいかなかったことは、

彼らはことばの「意味」は、考えていない

ことだったんですよ。

当時、「地球にやさしい」という表現が多用されていたのですが、実際に環境に配慮している製品かどうかは、彼らは興味を持っていなかったんですよね。

確かに製品の中身についてはクライアントが考えるべきことで、広告のやることではないのですが、流行りだからという理由で何にでも「地球にやさしい」をくっつけてしまう。

その結果、本気で環境問題に取り組んでいる人たちにどういう影響を及ぼすか、地球にやさしい=胡散臭いと思われてしまうことをどうするか、なんてことは一切考えていないんですよ。

(この構図、フラワーデモやSDGsでも繰り返されていますよね。)

とても場当たり的で、嘘くさく、偽善的だ、と感じてしまいました。

彼らの表現は、時代の最先端であったり、キャッチーであったり、刺激的であったり、とても耳目を引き付けるのですが、その表現の意味や背景は「考えない・関係ない」というスタンスなのですよね。

意味を考えるのは、我々の仕事ではない、と言い切っていました。

この、形さえ目立てば中身はどうでもいいという、無責任とも取れるやり方が、私にはどうしても納得できませんでした。

今回の”生娘シャブ漬け”発言にも、同じものを感じたんですよね。

たぶんこの人は、ことばの意味を考えずに使っているのだろうな、と。

この発言、普通に捉えると刺激的なAVタイトルのように見えます。

まだ右も左もわからない少女に薬物を盛り、意識を奪って支配する。

このイメージ、まだ前頭葉が未熟な十代少年の性犯罪的妄想を、そのまま表現したように感じてしまいます。

今回の講義は社会人向けのもののはずなのですが、もしかしたら、

マーケティングに興味のある、欲に素直なガッついた若者に刺さる、きわどい表現

としてのみのことばだったのかも知れません。

しかし、このイメージの中の生娘も、性的妄想を止められない未熟な青年も、どちらも「一人前の人間」として扱われおらず、どちらも見下している、とも受け取れます。

企業の代表としての講義で語られる「人間観」がコレであるなら、この企業の考える、客や店員、世間に対する人間観も、そうなのだろう、と受け取られても仕方がないですよね。

果たしてこの企業は、女性を高級レストランに誘わずに、一人で牛丼を食べる男性(一番のお客様のはずだ)をどう捉えているのでしょうか。


ターゲットに刺さるならどんな表現でも構わない、という節操の無さが、この職種の人の特徴なのかもしれません。

確かに、広告やマーケティングは、機を捉えて素早く動かなければならない職種なので、長考するような時間は無いのですが、人の尊厳を守るという最低限のことすらできないのであれば、職業以前の問題になってしまいます。

どんな立場の人であっても、表現したことの持つ意味、表現することの責任は、しっかり考えて欲しいのです。

どんな商売であっても、ターゲットは物ではなく、尊厳のある人間だということを、忘れないで欲しいのです。

強者でいられたバブルを懐かしむ価値観

広告・マーケティング業界の人が、一番世の中をブイブイ言わせていたのは、やはりバブルの頃だったと思います。

中身の無い表現一つで人々が踊り狂う様は、世界を支配した気分を味わわせてくれたと思います。

けれどもアレは「バブル」であって「異常」だったんですよね。

今回の発言の中にも、アッシーやメッシーを上手く使う女子、というイメージが出て来ますが、現実と乖離した異常な世界に住み続ける見識の狭さ、を感じてしまいます。

バブル時代なら、たとえ今は牛丼や鮭弁当でしのいでいても夢さえあれば上昇できる、という考え方もあったと思います。

けれど、現在牛丼店に世話になっている人はどうなのか。

私も含めて、将来大金持ちになる予定は全く無い人々が、お手軽な食事を求めて来るのが、ほとんどではないでしょうか。

経済的強者のバブリーな夢で踊ってあげる必要が無いことを、解っている階層です。

しかし、当の店を経営する側の見解は、その階層を、生活する一人前の人間としては捉えていなかった。

少し悪意のある言い方をすると、

店舗経営でワーキングプアを量産すれば、ファストフード店の客は常時補充される

そのアガリでお姉ちゃんにイタメシおごり続けるオレちゃん。

………客も店員も、嫌になりますよね。

マルキン・マルビという表現は、多数を占める中間層はマルビに落ちたとしても脱出できる、という前提があるからこそ、ウケたのではないでしょうか。

http://www.jlogos.com/d099/12661650.htmlマルキン・マルビとは

中間層が崩れ、格差の固定は動かせなくなっている、と実感している現代で使うと、ただの嫌味になってしまいます。


経営する側として、客も店員も、単価として計算しなければならないのは、仕方のないことだと思います。

それでも、客も店員も現実には、単なる単価=対象物ではなく、生活をしている尊厳ある人間なんですよ。

誰からも、道具扱いされたり、見下されたりする筋合いは無いんですよ。

経済やマーケティング以前に、人間を人間として扱うことを学んで欲しい、と思います。

当然ですが、「お姉ちゃん」も欲望の対象物などではなく、意思も人格もある、尊厳を持った一人の人間です。

それダメだよ、と言える・気付ける環境が大事

もしかしたら、ご本人は

「口がすべっただけで、そんなに叩かなくたっていいじゃないか」

と思っているかもしれません。

けれどもこれは、今までならば力関係で黙殺されてきた問題が、ようやく大っぴらに言える文化が出来てきた、という意味もあるんですよね。

力で黙殺することで生まれるのは、恨みだけです。

溜まり続けた恨みや怒りが、世の中を破壊してしまう恐ろしさは、誰でも解ると思います。

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価値観の過渡期は、確かに混乱するとは思いますが、それでも、都合の悪い事を力で黙らせるよりは、よっぽどマシだと思います。

未来に禍根は残したくないですから。

どんな立場にいる人にも、人としての尊厳の大切さを、理解して欲しいのです。

「人権」って何なのか、まじめに学ぼう

今回の不適切発言、ものすごく平たく言うと、人権が解ってない、の一言になってしまうんですよね。

⇩ 人権  出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%BA%E6%A8%A9

時々、勘違いした人が、ヘンな要求を通すために「人権侵害だ」などともめていることもありますが、それは本来、人権とは別の問題です。

人権とはそういう話ではなく、もっと単純に

「人が人としての尊厳を持って、互いに生きていくこと」

なんですよ。

自分の欲望を満たすために他人を消耗品扱いしてはダメ、とかの、当たり前のこと、です。

だけれどこれは、意識して育てないと解らなくなってしまう感覚でもあるんですよね。

前頭葉の発達が未熟で、衝動性が抑えられない人にありがちな、

自身の欲望に忠実過ぎるあまり、他者の痛みに気付けなくなる

とかは、下手をすると犯罪になりかねない、良くない「無邪気さ」です。

他者の尊厳が解らなくなっている状態って、自分自身の尊厳も解らなくなっている、投げ捨ててしまっている状態でもあるんですよ。

放っておくと腐ったミカン状態になってしまう。

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経済的にしろ、何にしろ、「力」はよく考えて使わないと、簡単に他者を侵害してしまいます。

「表現」も「力」と同じです。

どんな立場にいる人でも、もっと人権のことを真面目に学んだ方が良い、と常々感じています。

意識して学ばないと、理解しにくい感覚ですから。




ブログ筆者  鈴木紗々夜  https://amzn.to/3MCIgqY
障害者就労で感じた無意識の差別、能力主義の不都合、制度の矛盾…等々…本人の体験から感じたこと、改善したいこと、これからの社会へ願うこと、などを書いています。ご興味がありましたら、どうぞご一読ください。よろしくお願いいたします。
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